素敵なひととき

内蒙古師範大学学報(哲社版)の道筋

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自分の内部にバカを蓄え、それを燃焼して、血肉化した者である。
この者にはバカにたいする免疫がある。
バカになってバカに落ちず、賢になって賢につけあがらない。
ひとつの男の理想形であるといっていい。
この免疫のない者は、もしかしたらバカ以下なのかもしれない、と感じるときがある。
精神的にとことん身をやつすことができていないからである。
これはひ弱だ。
バカを通過しなかった者の弱さだ。
「まえがき」で「バカがきらいた」と書いた。
だが「きらいだ」だけではじつはすまされない。
それはただのアンチバカで、人間的深みと幅という意味では、バカと大して変わらない。
深いのではない。
浅いのだ。
広いのではない。
狭いのだ。
バカを克服するためにはバカを凌駕することである。
排除することではない。
油断しないように。
バカは手強いぞ。
けっしてバカになることなく、これからもバカを克服するために精進しよう。
そのためには「考える」ことだ。
そして「自分」を置きざりにして「動く」ことである。
見事、バカを克服した暁には、自分自身を寿ぐことにしよう。
バカに安住する者たちよ。
諸君たちは、寿がない。
本書で取りあげた本を掲載する。
全部ではない。
基本的に、本文以上のコメントのないものは割愛した。
一部、初出の本もある。
林秀彦『ジャパンーザービューテイフル』(中央公論社)題名だけ見ると三文本に見えるが、そうではない。
『ココロをなくした日本人』(毎日新聞社)もそうだが、いつもタイトルで失敗している。
ただ中身は有益である。
どれにも日本人の救いようのない愚鈍と哀切が書かれている。
「中央公論」編集部編『論争・中流崩壊』(中公新書ラクレ)中勝ち組・負け組、階層化などの問題点が一望できて便利。
一望できたから、それがどうしたというと、どうもしない。
呉智英『バカにつける薬』(双葉文庫)呉の本はほとんど双葉文庫で読める。
どの本もほのぼのとしている。
文章がくどくないから、読後感がいい。
『読書家の新技術』(朝日文庫)は飛ばし読みでいい。
小谷野敦『バカのための読書術』(ちくま新書)ひとりの学者ができあがるにはどの程度の素養が必要とされるか、ということがわかっておもしろい。
わかったから、それがどうしたのかというと、どうもしない。
吉野敬介『やっぱりおまえはバカじゃない』示学館文庫)わたしはこの本を称賛するが、「やっぱりおまえはバカだ」というヤツは確実に存在する。
酒井冬雪『バカーゲット』(双葉文庫)以前、一回読んで、今回読んだのは二回目。
三回目は絶対ない。
田ロランディ『バカな男ほど愛おしい』(晶文社)写真で田口さんの顔を見だけど「ランディ」という顔ではないぞ。
生粋のモンゴリアンじゃないか。
どうなっている?エラスムス『痴愚神礼讃』(岩波文庫)岩波文庫は品切れ。
『世界の名著』に収録されている。
薦めたいが、必読、ではない。
世に、必読の書などない。
永江朗『批評の事情』亘書房)「いまどきの論客44人を論じ」る、とあったので、おなじような趣向の本かなと思って読んだ。
M真司、田中康夫、中島義道、小谷野敦、福田和也、大塚英志、日垣隆などなどと、興味津々のメンツではある。
この本はおもしろかった、というだれかの文章を読んだ。
期待に反して、わたしにはおもしろくなかった。
味が薄い。
それにやはり44人は飽きる。
M真司『自由な新世紀・不自由なあなた』[メディアファクトリ]『世紀末の作法』(メディアファクトリ士もそうだが、Mの本はおしなべて造本・中身とも暑苦しい。
だれの趣味なのか。
M真司『野獣系でいこう‐‥』(朝日文庫)これもベトベトしているが、Mの正直さと強がりが出ていて健気である。
一瞬にして破顔・真顔復元といラ大島渚の瞬間芸は、M真司に継承されている。
小室直樹十色摩力夫『人にはなぜ教育が必要か』(総合法愈こんなものまで読んでしまった。
しかし金を返せとはいわない。
いっても、返ってこないからである。
小室直樹『痛快・憲法学』(集英社インターナショナル)本文でも書いたが、これはある意味おもしろい。
たしかに「痛快」ではある。
だけどそれでも、小室直樹、長谷川慶太郎、谷沢永一、渡部昇一の四人は、胡散臭いバカ四天王ではないかとの疑念は晴れないけど。
寺脇研『21世紀の学校はこうなる』薪潮OHI文庫)ほんとに「こう」なってしまうのである。
自分たちがなにをやっているのかわかっていない。
「もうわかりません」と手を挙げたほうがいいのではないか。
渡部昇一『知的生活の方法』(講談社現代新言いま品切れ中かな。
重版は望まないからね。
渡部昇一『国民の教育』(産経新聞ニュースサービス)ところがそのエッセンスがこの本の後半に収録されて亡霊のように生き返っている。
おなじ『国民』シリーズでもやっつけ度がひどく、同列に並んだのでは西尾幹二の本が可哀相である。
芹沢俊介十斎藤次郎『この国は危ない』(雲母書房)もっともらしいだけ。
二人羽織のバカ本。
芹沢俊介『子どもたちはなぜ暴力に走るのか』(岩波書店)もう無理よ、この本を最後まで読めというのは。
田嶋陽子『愛という名の支配』夭郎次郎社)しかたがないとはいえ、なんでこんな本まで読まなければいけないのか。
田嶋陽子『それでも恋がしたいあなたへ』(徳間文庫)「それでも恋がしたいあなたへ」贈る、とでもいうのか。
こんなもの贈られてはたまらない。
それに、「それでも」の意味がわからん。
田原総一朗『日本の戦争』示学館)本書ではふれなかった。
田原が、この本を書くために五百冊読んだといったら、井上章一が苦笑していたが、わたしは笑わない。
立派なものである。
ただ、これは田原のする仕事か。
それに勉強したからといって、政治家相手に知識を試しては、なにも知らないとどやしつけるのはバカ。
まず先に相手に訊いておいて、自分の裏情報で「ちがう!」と否定するなど、やることがガキである。
「そこで聞きたい!」。
なんでこんな本書いたの。
三田誠広『中年って何?』(光文社)そのうち『老年って何』も書くんだろうな。
書いたら読むぞ。
日垣の本は一冊読むと、つぎもなんとなく読みたくなる。
『何でも買って野郎日誌』はまだ未読だが、日垣にはちょっと「男中村うさぎ」みたいなところがあってビックリする。
佐高信『こいつだけは許せない!』(徳間書店)だから、もうI回いう。
なぜ「こいつ」のなかに佐高が入っていないのか。
佐高信『経済戦犯』(徳間書店)営業妨害だと怒られるかもしれないが、佐高の本は一冊も読まなくてよい、と断言しておく。
だってどの本も不良品なんだもんなあ。
これで営業できていることじたいが不思議。
田中康夫『ペログリ日記』(幻冬合最も薄汚い本。
いったいだれが、なんの目的で読んでいるのか。
田中康夫『神戸震災日記』薪潮文庫)この本は悪くない。
が、この題名では、まるで田中が震災に遭ったみたいじゃないか。
「震災お助け日記」である。
渡辺淳一『シャドウルージュ』(文藍春秋)たんなるこけおどし。
あまりにもタチが悪すぎる。
おまけに小説と読者を祗めすぎている。
読んだあと処分に困る。
「ませーえ」に売るのも業腹だし。
金原克範『〈子〉のつく名前の女の子は頭がいい』着想はおもしろいのに説明が固いのが惜しまれる。
次回作『テレビ・ペアレンツ』に期待。
中村うさぎ『だって、欲しいんだもん』(角川文庫)読んで、だからどうした、というと、どうもしない。
バカ日本を象徴するバカ女のひとつの極致。
嫌味でないのが救い。


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